概要
輪(車輪)は、運命・循環・栄枯盛衰を象徴する伝統的な図像。中世ヨーロッパの「運命の輪(ロタ・フォルトゥナエ)」の観念、およびタロットの「運命の輪」カードの図像として知られる。運命を糸として視覚化するモイライ(モイライ(運命の三女神))とは異なる、車輪という別系統の視覚的モチーフによる運命の表象である。
歴史
古代ローマの運命の女神フォルトゥナ(フォルトゥナ)が操る輪という観念(ボエティウス『哲学の慰め』(『哲学の慰め』)での言及が特に影響力を持った)が、中世ヨーロッパの写本・彫刻に広く描かれる「運命の輪」の図像伝統の起源とされる。輪の頂点で王冠(王冠)を戴く者が、輪が回転するにつれて転落していく様が描かれ、地位・栄華の無常を戒める図像として用いられた。
各伝統における意味
中世ヨーロッパ(運命の輪)
貴賤を問わず全ての人間の運命が絶えず上下するという、中世的な運命観を視覚化した図像として、大聖堂のバラ窓の意匠などにも取り入れられた。
タロット
タロットの「運命の輪」(運命の輪)カードは、この中世の運命の輪の図像伝統を直接引き継いでいる。
文学
ボエティウス『哲学の慰め』(『哲学の慰め』、6世紀)における運命の輪の記述は、中世ヨーロッパ文学に大きな影響を与えた。
関連ノード
- 運命の輪 — 運命の輪の図像伝統を引き継ぐタロットカード
- 『哲学の慰め』 — 運命の輪の観念に大きな影響を与えた獄中著作
- モイライ(運命の三女神) — 運命を糸として視覚化する別系統のモチーフ
- 王冠 — 輪の頂点で戴かれる持物
- フォルトゥナ — 輪を操るとされるローマの運命の女神
参考文献
- J.E. Cirlot, A Dictionary of Symbols, trans. Jack Sage, 2nd ed., Routledge, 1971. — 象徴図像学の標準的参照辞典
- Howard Rollin Patch, The Goddess Fortuna in Mediaeval Literature, Harvard University Press, 1927. — 運命の輪・運命の女神フォルトゥナの中世文学における表象を扱う標準的研究