概要
ヘラクレス(古代ギリシャ語: Ἡρακλῆς)はギリシャ神話最大の英雄。ゼウスと人間の女性アルクメネの間に生まれた半神で、死後に神格化されオリュンポスに迎えられたとされる。「12の功業」で特に知られる。
語源
Ἡρακλῆς は「ヘラの栄光」を意味するとされる。皮肉にも、ヘラクレスは終生ゼウスの正妻ヘラの敵意にさらされる存在として描かれる。
各伝統における意味
ギリシャ神話
ヘラ(ヘラ)の策略により正気を失い自らの子を手にかけたことへの償いとして、エウリュステウス王に命じられた10の(後に2つ追加された)功業を果たす物語群が中心的な神話を成す。功業の中には獅子座の由来となったネメアの獅子退治、蟹座の由来となったヒュドラとの戦い、そして最後(12番目)の功業である冥界の番犬ケルベロス(ケルベロス)を素手で地上に連れ出す試練が含まれる。死後、その功績によりオリュンポスの神々に迎え入れられ神格化されたとされる、ギリシャ神話の中でも特異な「人間から神になった」経歴を持つ。
心理学
現代の比較神話学・分析心理学の文脈では、試練を通じて成長する英雄の典型例として、英雄の旅の代表的事例に位置づけられることが多い。これは20世紀以降の比較神話学的解釈であり、古代の神話そのものが意図した構造ではない点に注意する。
関連ノード
- 獅子座 — ネメアの獅子退治の功業に由来するサイン
- 蟹座 — ヒュドラとの戦いに由来するサイン
- ゼウス — 父とされる神
- 英雄の旅 — 比較神話学における代表的事例
- ヘラ — 終生敵意を向けられた女神
- アテナ — 助力を与えた女神
- サムソンとデリラ — 比較神話学でしばしば比較される旧約聖書の怪力の英雄
- ケルベロス — 12番目の功業で地上に連れ出した冥界の番犬
参考文献
- Walter Burkert, Greek Religion, trans. John Raffan, Harvard University Press, 1985. — ギリシャ宗教研究の標準的学術文献
- Timothy Gantz, Early Greek Myth: A Guide to Literary and Artistic Sources, Johns Hopkins University Press, 1993. — 各神話の異伝を古典文献に即して整理した標準的資料集