概要
テュフォン(古代ギリシャ語: Τυφών)はギリシャ神話に登場する巨大な怪物。大地母神ガイア(ガイア)の末子とされ、オリュンポスの神々に対する最大の脅威として描かれる。黄道十二宮の山羊座・魚座の起源神話(テュフォンからの逃走譚)にも登場する。
語源
Τυφών の語源には諸説あり、確定した定説はない。
各伝統における意味
ギリシャ神話
ゼウス(ゼウス)の支配権を脅かす存在として、ガイア(ガイア)がゼウスへの復讐のために生んだとされる。100の竜の頭を持つとも語られる怪物で、ゼウスと壮絶な戦いを繰り広げた末に敗れ、シチリア島のエトナ火山の下に封じられたとされる(火山活動の神話的説明としても機能した)。
山羊座・魚座の由来神話
テュフォンの襲来に驚いた神々が動物の姿に変身して逃げたという神話群が伝わる。牧神パーン(パーン)が慌てて川に飛び込んだ際、上半身が山羊、下半身が魚という姿になったという神話が山羊座(山羊座)の、アプロディーテとエロースが2匹の魚に変じて逃げたという神話が魚座(魚座)の由来として、それぞれ語られる。
関連ノード
参考文献
- Walter Burkert, Greek Religion, trans. John Raffan, Harvard University Press, 1985. — ギリシャ宗教研究の標準的学術文献
- Timothy Gantz, Early Greek Myth: A Guide to Literary and Artistic Sources, Johns Hopkins University Press, 1993. — 各神話の異伝を古典文献に即して整理した標準的資料集
- Hesiod, Theogony, trans. M.L. West, Oxford University Press, 1988(原著紀元前700年頃). — テュフォンとゼウスの戦いを伝える一次資料