概要
物質・実利・身体を象徴する円盤状の道具。タロットの小アルカナのスート「金貨(コイン、あるいはペンタクル)」の由来にもなっている。
語源
「ペンタクル(pentacle)」の語源は「五芒星(ペンタグラム)」と同根とする説があるが、タロットの本来のスート図像は硬貨(コイン)であり、五芒星の図像そのものとは別系統である点に注意が必要である。
歴史
初期のタロットデッキではこのスートは単純に「硬貨(コイン、デナリ)」として描かれたが、近代西洋秘教の文脈で「ペンタクル」という呼称・五芒星を伴う図像が定着した。
各伝統における意味
タロット
小アルカナのスート「金貨」は、伝統的に物質・実利・身体的な現実を表すとされる(体系ごとの詳細な意味づけは占星術・タロット内部の教説であり、今後個別に整理する)。
近代西洋儀式魔術
黄金の夜明け団以降の体系では、杖(杖)・杯・剣・金貨の4つの道具が四元素(四元素)に対応づけられ、金貨は地(地)に配当される。
五芒星との混同に注意
「ペンタクル」という呼称は、儀式魔術の中心的シンボルである五芒星(五芒星(ペンタグラム)、ペンタグラム)と語源・図像の両面でしばしば結び付けて語られるが、タロットのスート象徴としての金貨(コイン)と、儀式魔術上の護符・シンボルとしての五芒星は、成立の系譜が異なる別個の図像である点に注意する必要がある。
関連ノード
- 四元素 — 対応づけられる元素体系
- 杖 — 他の小アルカナのスート象徴
- 西洋儀式魔術 — 儀式道具として用いる伝統
- 五芒星(ペンタグラム) — 語源・図像上しばしば混同される別系統のシンボル
- 魔術師 — 机上にペンタクルを並べて描くタロットカード
- 地 — 配当される元素
- ペンタクルのエース から ペンタクルの10 — 対応する小アルカナ数札10枚
- ペンタクルのキング — 対応する小アルカナ宮廷札
- ペンタクルのクイーン — 対応する小アルカナ宮廷札
- ペンタクルのナイト — 対応する小アルカナ宮廷札
- ペンタクルのペイジ — 対応する小アルカナ宮廷札
参考文献
- J.E. Cirlot, A Dictionary of Symbols, trans. Jack Sage, 2nd ed., Routledge, 1971. — 象徴図像学の標準的参照辞典
- Israel Regardie, The Golden Dawn: A Complete Course in Practical Ceremonial Magic, 6th ed., Llewellyn Publications, 1989(初版1937-1940). — 黄金の夜明け団内部の道具・元素対応表の一次資料