概要
自己(セルフ)は、カール・ユング(カール・ユング)の分析心理学における中心概念で、意識と無意識を含む心全体の統合的な中心・全体性を指す。個性化過程(個性化)の到達点として位置づけられる。
語源
ドイツ語 das Selbst の訳語。自我(Ich、意識の中心)と明確に区別される概念である。
歴史
ユングは、自己を単なる「自我」の延長ではなく、意識・無意識を含めた心全体の統合的な中心・目標として理論化した。晩年、マンダラ図像への関心を通じて、自己の象徴的表現についての考察を深めた。
各伝統における意味
分析心理学における位置づけ
個性化過程(個性化)は、影(影(シャドウ))、ペルソナ(ペルソナ)、アニマ・アニムス(アニマ・アニムス)といった諸元型との対決・統合を経て、最終的に自己の実現へと至るとされる。ユングは、この自己を象徴するイメージとして、マンダラ、円、四位一体(クワタニティ)などの図像がしばしば夢や幻想に現れると指摘した。
錬金術との関連
ユングは、錬金術の大いなる業(大いなる業)における賢者の石(賢者の石)の生成を、自己実現の心理学的過程の象徴的表現として再解釈した。
哲学
「自己」概念は、東洋思想(禅、ヒンドゥー教のアートマン概念など)との親和性がしばしば指摘され、ユング自身も晩年に東洋思想への関心を深めた。
関連ノード
- カール・ユング — 提唱者
- ペルソナ — 個性化過程で対決するとされる社会的仮面
- アニマ・アニムス — 個性化過程で対決するとされる元型
- 大いなる業 — 自己実現の過程の象徴として再解釈された錬金術の過程
- 賢者の石 — 自己実現の到達点の象徴として再解釈された概念
- 個性化 — 自己の実現へと至る過程
参考文献
- C.G. Jung, Aion: Researches into the Phenomenology of the Self, Collected Works Vol. 9ii, 2nd ed., Princeton University Press, 1968. — 自己論の一次資料
- Anthony Stevens, Jung: A Very Short Introduction, Oxford University Press, 1994. — ユング心理学の標準的入門書