概要
個性化(インディヴィデュエーション、Individuation)は、カール・ユング(カール・ユング)の分析心理学における中心的な過程概念。意識と無意識の内容を統合し、自己(セルフ、自己(セルフ))としての全体性・独自性を実現していく生涯にわたる心的発達の過程を指す。
語源
ラテン語 individuum(「分割不可能なもの」)に由来する。
歴史
ユングは、特に人生の後半(中年期以降)において、それまで社会的な適応(ペルソナの確立)に費やされてきた心的エネルギーが、自己の内面の統合という課題へと向かうようになるとし、この過程を個性化と呼んだ。
各伝統における意味
分析心理学における位置づけ
影(影(シャドウ))、アニマ・アニムス(アニマ・アニムス)といった諸元型との対決・統合を経て、最終的に自己の実現へと至る過程とされる。能動的想像法(能動的想像法)は、この過程を促進するための代表的な技法として位置づけられる。
錬金術との類比
ユングは、中世〜近世の錬金術の作業段階(ニグレド(ニグレド)・アルベド(アルベド)・ルベド(ルベド))を、個性化過程の各段階の象徴的な比喩として再解釈した。これは近代の心理学的解釈であり、錬金術師たち自身が意図した意味(金属の物質的変成)とは区別する必要がある。
「自己実現」との異同
一般的な心理学・自己啓発言説における「自己実現」という語と部分的に重なるが、ユングの個性化概念は、単なる能力の発揮や目標達成ではなく、無意識の内容(特に影のような否定的側面)との対決・統合を不可欠の要素とする点で、より複雑な過程として理論化されている。
関連ノード
- カール・ユング — 提唱者
- 自己(セルフ) — 個性化過程の到達点
- 影(シャドウ) — 個性化過程で対決するとされる元型
- アニマ・アニムス — 個性化過程で対決するとされる元型
- 能動的想像法 — 個性化過程を促進する技法
- ニグレド — 個性化過程の初期段階になぞらえられる錬金術の局面
- アルベド — 個性化過程の中間段階になぞらえられる錬金術の局面
- ルベド — 個性化過程の完成段階になぞらえられる錬金術の局面
- リズ・グリーン — この概念を占星術の解釈に応用した著述家
参考文献
- C.G. Jung, Psychology and Alchemy, Collected Works Vol. 12, 2nd ed., Princeton University Press, 1968. — 個性化過程と錬金術の類比を論じた代表的著作
- Anthony Stevens, Jung: A Very Short Introduction, Oxford University Press, 1994. — ユング心理学の標準的入門書