辞典 / 神格

ヘルメス


視点: 神話 / ヘルメス思想 / 西洋占星術 / 西洋美術
テーマ: 西洋占星術

概要

ヘルメス(古代ギリシャ語: Ἑρμῆς)はギリシャ神話における神々の伝令であり、商業・旅・境界・盗み・雄弁を司る神。ローマ神話のメルクリウス(Mercurius)と同一視され、これが英語 Mercury(水星)の由来となっている(水星)。

ヘルメス・インジェヌイ像。カドゥケウスを持つヘルメスの大理石彫刻
《ヘルメス・インジェヌイ》(ギリシャ原作[前5世紀]のローマ時代の模刻、ヴァチカン美術館蔵)。Public domain, via Wikimedia Commons

語源

Ἑρμῆς の語源には、境界石を意味する herma(ἕρμα)に由来するという説などがあるが、学術的に確定していない。

歴史

古代ギリシャ各地で境界石(ヘルマイ)への信仰と結びついて広く祀られた。ヘレニズム期以降、エジプトの神トト(知恵と書記の神)と習合した「ヘルメス・トリスメギストス(三重に偉大なるヘルメス)」という半ば伝説的な人格が形成され、これがヘルメス思想(ヘルメティシズム)という別系統の思想潮流の起点となった。ギリシャ神話の神ヘルメスと、ヘルメス思想上の人物ヘルメス・トリスメギストスは、名称は共有しつつも成立の系譜が異なる別個の存在として区別して扱う必要がある。

各伝統における意味

ギリシャ神話

ゼウスの使者として神々と人間界を行き来する境界的な存在。旅人・商人・弁論家・盗人の守護神ともされる。神々の伝令という役割は、虹の女神イリス(イリス)とも部分的に重なる。

ヘルメス思想(ヘルメス・トリスメギストス)

エジプトのトト神との習合を経て成立した「ヘルメス・トリスメギストス」(ヘルメス・トリスメギストス)は、ヘレニズム期エジプトで編纂された『ヘルメス文書』群の仮託著者とされる人物であり、ギリシャ神話のヘルメス本人とは区別される。詳細はヘルメス思想を参照。

美術

伝令の杖カドゥケウス(2匹の蛇が巻き付き翼のついた杖)を持つ姿で表されるのが典型的図像。この杖は単一の蛇が巻き付くアスクレピオスの杖(アスクレピオス)としばしば混同されるが、起源・匹数・翼の有無が異なる別図像である。

関連ノード

生命の木から見た整理(任意)

本項は本プロジェクト独自の整理モデルであり、歴史的事実の記述ではない。(詳細は今後追記)

参考文献

関連ノード(発見の質でグループ化)

対応の発見

隣接の発見