概要
火は、古代ギリシャの四元素説(四元素)を構成する四つの元素の一つ。アリストテレスの性質論では「熱・乾」の性質を持つとされ、情熱・変容・浄化・破壊と再生を象徴する。
歴史
エンペドクレスに帰される四元素説の成立以来、火は世界を構成する根源的な性質の一つとして位置づけられてきた。アリストテレスは火を「熱」と「乾」の組み合わせとして体系化し、四元素中で最も上方(天)に位置する元素とした。
各伝統における意味
占星術
黄道十二宮のうち、牡羊座(牡羊座)・獅子座(獅子座)・射手座(射手座)の3サイン(「火の三区分(トリプリシティ)」と呼ばれる)が火に分類される。これら3サインは黄道上で120度ずつ離れて配置され、共通して情熱・行動力・直感的な自己表現を特徴とすると説明される。
タロット・西洋魔術
タロットの小アルカナでは杖(ワンド、杖)のスートが火に対応づけられる。大アルカナでは、ヘブライ文字の伝統的分類における「3母字」の一つシン(ש)に配当される「審判」(審判)が火に分類される(詳細は四元素を参照)。錬金術・近代西洋儀式魔術の記号体系では、上向きの三角形(三角形)が火を表す。
錬金術・エレメンタルの伝統
16世紀の医師・錬金術師パラケルススは、火の元素精霊として「サラマンダー」を挙げたとされる(本プロジェクトでは未作成)。これは古代ギリシャの四元素説そのものとは別の、近世に付加された民間伝承的な要素である点に注意が必要である。
哲学
アリストテレスの自然哲学では、火は四元素のうち最も軽く、上方(天球)へ向かう性質を持つとされた。
関連ノード
- 四元素 — 火が構成要素の一つとなる体系
- 牡羊座 — 火の三区分に属するサイン
- 獅子座 — 火の三区分に属するサイン
- 射手座 — 火の三区分に属するサイン
- 杖 — 火に対応づけられる小アルカナのスート
- 審判 — 火に配当される大アルカナカード
- 三角形 — 火を表す錬金術・儀式魔術の記号(上向きの三角形)
参考文献
- Aristotle, On Generation and Corruption, trans. C.J.F. Williams, Clarendon Press, 1982(原典 紀元前4世紀頃). — 四元素に性質(熱冷乾湿)を体系づけた一次資料
- Israel Regardie, The Golden Dawn: A Complete Course in Practical Ceremonial Magic, 6th ed., Llewellyn Publications, 1989(初版1937-1940). — 黄金の夜明け団内部の対応表の一次資料